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モチ小麦:冷めても固くならず、食感モッチリ うどん好評??津の名物に /三重

 

 

市の新しい特産品として「モチ小麦」を使った製品づくりの研究が進められている。先月27日市内で行われた「まん中広場元気まつり」では、うどん店の協力でモチ小麦を使ったうどん「つぅどん」が登場。1杯200円で販売され、用意した100食が約1時間で売り切れた。市では「反応も良かった。モチ小麦をPRしていきたい」と話している。

 「モチ小麦」は、農林水産省が外国産の小麦に対抗するため、モチのような粘り気を出すよう小麦の交配を重ね、96年に開発した。しかし、商品化が難しく、全国的には浸透していないという。特徴は粘りのほか、調理したときに冷めても固くなりにくく、日持ちがして、味も落ちにくいという。
 
 津市が特産品として検討を始めたのは、02年、三重短大教授だった藤田修三さんからの働きかけからだった。モチ小麦を研究していた藤田さんは「目玉になる特産品を作れないか」との考えから市に紹介した。

 03年には藤田さんから引き継いだ谷口水穂・三重短大教授や市、関係者で「モチ小麦特産品研究グループ」を結成。研究を続けてきた。津市は「あけぼのもち」という品種を採用。これまで市の農林水産まつりや一身田地区の寺内町まつりで、モチ小麦を使ったパンや和菓子などを作ってきた。

 先月27日の「まん中広場元気まつり」では、津市大門の「弁慶うどん」の協力で、初めて「つぅどん」を市民に披露。物珍しさもあって「つぅどん」を求める人は後を絶たなかった。100食はあっという間に完売。販売の手伝いをした三重短大の学生らが食べ終わった人にアンケートをとったところ、54人のうち53人が「味や食感がよい」「再び食べたい」と回答した。

 モチ小麦の商品化にあたり、最も難しいのは他の粉との配合割合。モチ小麦だけを使うと、調理したときにふくらみすぎて、破裂してしまう。これまでの試作から、全体の3?5割の分量でモチ小麦の粉を使うと、独特のモッチリとした食感が味わえるという。

 現在、市内の畑約180アールで試験栽培されている。昨年11月に種をまいて以降、温暖で雨が少なく、モチ小麦にとって良い天候が続いた。市農林水産課では「今年5月の収穫時期には豊作を期待している。しっかりPRしていきたい」と、意気込んでいる。