ひな祭りには、全国にはそれこそ様々な行事食が存在しています。
具体的には、ちらし寿司やひなあられ、白酒、菱餅などです。
そういった食べ物には、それぞれに由来や習わしがありますが、いずれにしても子供たちの健やかな成長が込められていることに違いはありません。
今も昔もひな祭りの食べ物には、親たちの子供に対する強い思いが込められているのです。
食べ物名 | 意味 |
---|---|
はまぐりの 吸い物 | 良いパートナーに恵まれる ※同じ殻同士でないと閉まらないため |
菱餅 (ひしもち) | 緑:健康や長寿 白:清浄 ピンク(紅):魔除け |
ひなあられ | ピンク、緑、黄、白の4色でそれぞれ四季 |
白酒 (甘酒) | 邪気を祓い、気力や体力の充実 |
ちらし寿司 | 由来は実はないのですが 縁起の良い食材で作られます えび(長生き) れんこん(見通しがきく) 豆(健康でまめに働ける) |
ひな祭りのお祝いの仕方などを知りたい方はこちらの記事で分かります
おすすめのレシピとして、まずは「牛肉とたけのこの時雨煮春ちらし」を紹介します。
材料は、牛薄切り肉:220g、たけのこ:150g、にんじん:1/2本、グリンピース:50g、水:カップ1、割烹白だし:大さじ2、砂糖:大さじ1、ご飯(炊いたもの):2合分、桜でんぶ:30gです。
牛肉たっぷりのお寿司でボリューム感がありますので、男の子も満足できるでしょう。
まず牛肉はひと口大に切り、たけのこは薄切りにしてください。
にんじんは輪切りにして型で抜いた後、残りをみじん切りにしましょう。
鍋に上記で用意したものとグリンピースを入れ、中火で汁気がなくなるまで煮て、その後は粗熱を取ります。
型抜きしたにんじんやトッピング用の牛肉、さらにたけのことグリンピースを取り置いてください。
それをご飯に混ぜます。
次は「お花とハートdeひなちらし」です。
材料は、すし飯:480g、野沢菜:30g、桜でんぶ:30g、錦糸玉子:20g、きゅうり:適量、いくら:お好みで、うずらのたまご2個、のり:適量、とびこ:2粒です。
ポイントはマルグリット型で、水で軽く濡らしておくといいでしょう。
すし飯 480gについては、「170g」、「170g」、「140g」 に分割し、170gのひとつに桜でんぶを軽く混ぜてピンク色のすし飯にしておきます。
140gの方には野沢菜を軽く混ぜて、緑色にしておきましょう。
ケーキの土台はマルグリット型にして、ピンクのすし飯と白いすし飯、緑のすし飯の順に入れてお皿に返して完成です。
ひな祭りのときの食べ物とおすすめレシピはその他にも色々なものがありますが、それぞれ工夫をしながら作るといいでしょう。
ひな祭りに関連する食べ物とその由来を子供に教えてあげよう?
ひな祭りと言えば、美味しい料理やお酒をイメージする人もいるのではないでしょうか。
ひな人形や桃の花を飾っていくというのも楽しいですが、子供たちが最も楽しみにしているのは、何と言ってもそこに出てくる特別な食べ物ではないかと思います。
ひな祭りには、昔から食べられているような伝統的な食事が存在しますので、それらの由来などを紹介します。
まず代表的と言えるのが、ちらし寿司ではないでしょうか。
ひな祭りでは様々な食べ物が振る舞われますが、そのひとつがちらし寿司になり、イメージが広く定着していると思われます。
ちらし寿司は、彩りはもちろん華やかさにも定評があり、多くの子供が楽しみにしている料理と言ってもいいでしょう。
ちらし寿司は、現在ではひな祭りには欠かせない料理になっていますが、実際のところは、ちらし寿司という料理そのものには深い意味合いはない、と言われています。
では、どうしてひな祭りにちらし寿司が振る舞われるようになったのか、疑問に感じている人もいると思います。
ちらし寿司をひな祭りに食べる理由というのは、実はちらし寿司自体にではなく、料理に使用されている具に由来があると言われているのです。
ひな祭りで振る舞われるちらし寿司には様々な種類の具が入っていますが、その中でも縁起が良いとされているのが、エビやレンコン、豆などです。
中でもレンコンには丸い穴が空いていますので、向こう側を覗くことができます。
向こう側を見通せることからも、「見通しが良い」、「見通しがきく」といった意味合いがある、と言われているのです。
つまりは明るい未来を見通せすことができるなどの、縁起の良い食べ物ということから使われるようになったというのです。
エビは腰が曲がっていて、さらにはヒゲが生えているという見た目からも、「長生き」のイメージがあります。
そのため子供が今後も末永く元気でいられるように、という願いが込められています。
豆に関してですが、「マメ」というワードには「健康」や「丈夫」という意味があります。
よく耳にする言葉の中に「マメに働く」というものがありますが、その「マメに働けるように」という意味が、豆そのものに備わっているのです。
レンコンやエビ、豆はお正月のおせち料理でもおなじみになりますので、縁起の良い食べ物の定番になっています。
次に「はまぐりのお吸い物」です。
ひな祭りの起源とも言われている上巳の節句が日本に伝わったのは平安時代にまで遡りますが、その頃に巷では、はまぐりの2枚の貝殻を一緒に合わせる「貝合わせ」と呼ばれる遊びが流行りました。
はまぐりの貝殻というのは、対同士でなければしっかり合うことがないことから遊びになったのですが、そういった意味もあり、はまぐりは仲の良い夫婦を表している、と言われるようになったのです。
桃の節句にはまぐりのお吸い物を食べると、「1人のパートナーと一生添い遂げることができる」と言われていて、子供の良縁を願うという意味合いがあります。
菱餅については、ひし形をしているのが特徴で、緑色、白色、ピンク色のお餅を重ねたものになります。
それぞれのお餅の形や色に、縁起の良い意味合いが込められているのです。
最初の緑色のお餅には、新しく芽吹いた芽の生命力のイメージがあり、これは健康や長寿を意味しています。
白色のお餅は、汚れのない純潔や洗浄をイメージしていて、ピンク色のお餅には魔除けの意味を持っている赤い色を混ぜて作っていることから、魔除けや厄除けの意味があると言われています。
ひし形の形ですが、これには諸説の由来があり、そのひとつとして知られているのが、ひし形は心臓を象徴していて、そこに子供の健康を願うという意味が込められていると言います。
菱餅は、下から緑、白、ピンクの順に重ねられますが、この順番にも意味があるそうです。
一番下の緑色の部分が大地の表、次の白色が雪、ピンク色は桃の花で、全体的に「雪の下に新芽が芽吹き、その後に桃の花が咲く」とされています。
その姿がひな祭りにピッタリ合っていて、春のイメージも備わっているのです。
菱餅には、緑色のお餅にはヨモギが、白色はひしの実、ピンク色にはクチナシが含まれています。
それぞれ増血や浄血、ストレス解消、血圧低下や解毒作用など、健康には欠かせないものになっているのも特徴と言えます。
ひな祭りの行事食の習わし
ひな祭りの行事食と言えば様々なものがありますが、そのひとつが「ひなあられ」です。
昔はひな人形を持参して海や野山などに出かけ、そこでおひな様に春の景色を見せてあげる「ひなの国見せ」と呼ばれる風習がありました。
その際に、たくさんのご馳走と一緒に持っていったのが、ひなあられだったのです。
ひなあられにも諸説はありますが、例えば「外で菱餅を食べるために砕いた」というものもあるようです。
ひな祭りの飲み物で有名なのが白酒ですが、こちらは童謡でもおなじみですので知っている人もいるかと思います。
白酒は、桃が百歳を表す「百歳(ももとせ)」という意味があることから、桃の花を酒にひたした「桃花酒(とうかしゅ)」を飲む習わしがあったのです。
白酒は江戸時代から親しまれていて、その頃からひな祭りと白酒が定着していたとされています。
ひな祭りに飲む白酒には、2つの由来があると言われています。
1つ目が、「大蛇を体に宿した女性が、3月3日に白酒を飲んだら流産できた」というものです。
ここから3月3日に行うひな祭りには、「娘の体に悪いものが宿らないように」という、厄除けの願いを込めて白酒を飲むようになったと言われています。
2つ目は古代中国にあり、そこでは上巳の節句の際に「桃花酒」と呼ばれるお酒を飲んでいたのが、その理由になります。
桃の花には厄除けの力があるとされていましたので、上巳の節句では桃の花びらを漬けて作った桃花酒がよく飲まれていたのです。
そのときの桃花酒が日本に伝わると、その後は形を変えながら、現在のような白酒へと定着するようになりました。
ひな祭りに欠かせない白酒には2つの由来がありますが、どちらにも厄除けの意味があるのが特徴と言えるでしょう。
ひな祭りで飲む白酒には、子供の健康を願う習わしがあるのです。
ひな祭りの食べ物は地域で違いや特色がある?
ひな祭りには欠かせない食べ物のひとつと言えるのがひなあられですが、こちらは地域によって味などが異なります。
例えば関東のひなあられは、米粒大の大きさのもので、砂糖的な甘い味がするのが一般的です。
子供が好きな甘いお菓子に近いものがあり、ほのかな甘さが特徴と言えます。
一方の関西のひなあられに関しては関東のものとは異なり、しょう油や塩味などを用いて作っていることから甘い味はしません。
餅を使って作ったあられになり、大きさは直径1cmくらいで、元々は雛祭りに欠かすことができない菱餅を砕いて、その後に炒ったのが始まりとも言われています。