鬼ノ城は未だ多くの謎に包まれた鬼が暮らした古代山城
歴史上名のある城は、往々にして『日本書紀』などの歴史書にその存在が描かれているが、鬼ノ城はそうした記録に残されていない謎多き城である。近年の研究では7世紀後半の「白村江の戦い」ののちに、唐・新羅の来襲に備え築かれたという説が有力となっている。
標高400mの鬼城山にある古代山城で、山の8合目から9合目にかけ、山を一周する形で石垣や土塁の城壁が巡らされている。その総延長は2・8切にも及び、東西南北それぞれに門が構えられていた。
城内からは水汲み場や兵舎、のろし台、倉庫などの跡が発見されている。
鬼の正体とは?
鬼ノ城の名の由来は、その名が示すとおり、大昔に「鬼が住みつき悪さをしていた」という伝承から来ている。しかし、実際に鬼が暮らしていたとは考えづらく、鬼とは余所からやって来た異人のことを意昧していると思われる。