根室半島チャシ跡群は自然の地形を利用したアイヌの人々の砦
北海道には約700ヵ所のチャシ跡があり、根室市内には32カ所が現存。このうち24カ所が国の指定史蹟となっている。チヤシは‐6世紀から18世紀にかけて築かれたものだが、根室半島のものは比較的新しく、寛政元年(1789)の「クナシリ・メナシの戦い」に使用されたと考えられている。
その形状からチャシは「孤島式」「丘頂式」「面崖式」「丘先式」に分類され、根室半島のものは大半が半円形、またはコの字型に壕を張り巡らせた「面崖式」である。主に海抜5〜50mの海岸断崖上の台地に、オホーツク海を臨むように築かれ、保存状態は極めて良好である。