処暑

  

2023年

8月23日(金曜日)

二十四節季七十二侯
処暑初候綿柎開
(わたのはなしべひらく)
綿を包む萼(がく)が開く
次候天地始粛
(てんちはじめてさむし)
ようやく暑さが鎮まる
末候禾乃登
(こくものすなわちみのる)
稲が実る

8月の下旬ごろになると、テレビのニュースなどで「暦の上ではもう秋なのですが…」のような一言をよく聞くはずです。

しかし、実際にはとても秋を感じられるような気候でないケースが多いです。

暦の上というのは、春分や秋分、夏至や冬至などを表しており、その中に「処暑(しょしょ)」があります。

今回は、二十四節気のひとつの「処暑」について、詳しく説明していきます。






処暑てどんな日

処暑とは二十四節気のひとつで、暦の上で暑さが落ち着く時期のことをいいます。

実際の期間は、8月23日頃から9月7日ごろまでです。

その年によって違いますが、8月の下旬頃は、まだまだ日中は暑さが厳しいので処暑を感じられません。

しかし、朝夕になると涼しい風が心地よく突き抜けて、秋を感じる夜が多くなります。






処暑に関係のある季語

処暑に関係がある季語は、次の通りです。

・処暑の節
・処暑の候

このうちの「処暑の候」はかしこまったビジネス文書などで使う季語で、「処暑の節」は親しい相手に送る手紙でよく使う季語です。

実際に手紙などで使うときは、次のような文章になります。

・拝啓 処暑の候 貴社におかれてはますますご清祥のことお慶び申し上げます。
・処暑の節 ◯◯様にはその後お変わりなくお暮らしのことと存じます。

8月のお手紙を書く際に参考になりますよ
8月の時候の挨拶






処暑に関係ある食べ物は?

日中はまだまだ暑い処暑ですが、朝晩の気候が低下するのに伴い、デパートやスーパーの売り場の商品も少しずつ変わっていきます。

処暑に関係ある旬な食べ物には、次のようなものがあります。

・さんま
さんまは、秋の魚の代名詞でもありますね。
特にこのシーズンのさんまは、脂がよく乗っているので、いつもよりもおいしいのです。

さんまには、中性脂肪を減らして善玉コレステロールを増やすDHAが豊富に含まれています。

また血流を促進することで、疲労回復度が上がるので、季節の変わり目に疲れが溜まりにくくしてくれます。

・すだち
このシーズンに旬を迎えるすだちは、さんまにかけて食べると、さらに風味豊かになり、美味しくいただけます。

すだちにも、疲労回復効果があるクエン酸が豊富に含まれており、皮には脂肪の代謝をスムーズにするポリフェノールの一種も含まれています。

・ぶどう
ぶどうには様々な品種がある中で、この時期には、巨峰やマスカットが春を迎えます。

夏のうだるような暑さで、知らないうちに体には疲労が溜まっているかもしれません。

巨峰やマスカットには、そんな疲労を吹き飛ばしてくれるブドウ糖が豊富に含まれています。

また、ブドウ糖は脳の働きを良くして集中力を高めてくれるので、疲労で集中できない時でも、しっかりサポートしてくれます。

・イチジク
水溶性食物繊維のペクチンで腸を元気にしてくれるイチジクも、このシーズンに旬を迎えます。
今が旬のイチジクは、ほどよく熟しているので、ちょうど良い甘酸っぱさを存分に味わうことができます。

さらにはカルシウムや鉄分などのミネラルを豊富に含んでおり、骨を強くし、血液量を増やして健康維持のサポートをしてくれます。






まとめ

処暑は、8月下旬頃の暦の上で暑さが落ち着く時期を表す二十四節気のひとつです。
季語では「処暑の節」「処暑の候」などの夏の終わりを感じさせる言葉が多く用いられるようになります。
食べ物は、秋のはじめ頃から美味しくなり始めるさんまやすだち、巨峰やマスカットなどのぶどう、イチジクなどが旬を迎えて、スーパーなどでも多く陳列されています。

夏から秋へ移り変わるこの頃に、今が旬の味覚を楽しみながら、移りゆく季節を堪能できるといいですね。






秋の二十四節季を知ろう

四季節気旧暦西暦
立秋(りっしゅう)7月節8月8日頃
処暑(しょしょ)7月中8月23日頃
白露(はくろ)8月節9月8日頃
秋分(しゅうぶん)秋分の日8月中9月23日頃
寒露(かんろ)9月節10月8日頃
霜降(そうこう)9月中10月24日頃