芒種

  

2023年

6月5日(金曜日)

二十四節季七十二侯
芒種初候螳螂生
(かまきりしょうず)
螳螂が生まれ出る
次候腐草為蛍
(くされたるくさほたるとなる)
腐った草が蒸れ蛍になる
末候梅子黄
(うめのみきばむ)
梅の実が黄ばんで熟す

関東や関西では、6月上旬に穀類の種まきの時期を迎えます。

その頃、旧暦の二十四節気では、芒種という名の梅雨から夏に移り変わる季節になります。

芒は、イネの殻の先端部分の突起を表す言葉であり、芒種という節気名と関連しているのです。

今回は、芒種の意味や関係ある季語、食べ物について、詳しくお話しします。






芒種てどんな日

芒種とは、二十四節気で定められた6月6日ごろから15日間ほどの節気です。

二十四節気では9番目の節気になり、小満と夏至の間なので、梅雨明けから夏を迎える前までの季節にあたります。

芒種の「芒」は、稲や麦などの穂の先端の棘の部分を表す漢字で、種まきを始めるシーズンとして芒種と名付けられました。

この頃になると、穀類の種まきが始まったり、虫たちが活動し始める頃で、芒種は、何かを始める時期としても捉えられています。






芒種に関係のある季語

芒種にまつわる季語には、梅雨や上がり始めている気温、穀類に関する言葉が多いです。

また、この頃に開花する植物の名前が季語になっているケースもあります。

芒種に関係のある季語には、次のようなものがあります。

・薄暑
・麦秋
・梅雨
・長雨
・短夜
・菖蒲(あやめ)
・杜若(かきつばた)
・鰻(うなぎ)
・雨蛙

また、手紙においては、次のような挨拶文がよく使われています。

・入梅の候 はっきりしないお天気が続いていますがいかがお過ごしでしょうか。
・梅夏の候 恵みの雨が降り、木々の緑も一段と活き活きしてまいりました。
・初夏の候 青葉若葉の輝きに満ちた季節になりました。
・青葉の候 爽やかな初夏を迎え皆様お元気のことと存じ上げます。

芒種にまつわる俳句では、このようなものが有名です。

・一つ脱いで後ろに負いぬ衣がえ(松尾芭蕉)
・青梅のたたくや雨の石灯籠(寺田寅彦)
・おおげさに別れてきたが傘忘れた(竹本一平)
・やせ蛙まけるな一茶これにあり(小林一茶)

6月のお手紙を書く際に参考になりますよ
6月の時候の挨拶






芒種に関係ある食べ物は?

芒種に旬を迎える食べ物は、4つあります。

それぞれの食べ物を解説します。

・トマト
トマトの旬は夏のように思えますが、実は6月から8月なので、芒種の頃に春を迎えるのです。

リコピンをたっぷり含んだトマトを食べて、湿度が高く、気温の変動が激しい梅雨時の体調管理に役立てられるといいですね。

・らっきょう
カレーなどに添えるとおいしいらっきょうは、5月から7月頃に旬を迎えて、6月ごろに出荷のピークを迎えます。
らっきょうのもともとの原産地は中国でしたが、最近は国内でも盛んに栽培されており、国内の出荷量が増えています。
中でも、鳥取県の「砂丘らっきょう」は有名で、旬のらっきょうはふっくらとしていて歯ごたえがあります。

・さくらんぼ
さくらんぼの旬は品種によって違いますが、有名な佐藤錦は6月ごろが旬になります。
佐藤錦は赤いルビーと呼ばれるほど、赤の光沢が美しいさくらんぼで、ナポレオンと黄玉の交雑種てす。

日本では生産量が一番高く、さくらんぼの中でもメジャーな存在です。






まとめ

芒種とは、6月6日ごろから15日間ほどの節気で、小満と夏至の間に存在します。

まさにその頃は、梅雨明けから夏を迎える前までの季節にあたります。

そのため、芒種にまつわる季語には、梅雨や上がり始めている気温、穀類に関する言葉が多いです。

これから迎える夏を元気よく過ごせるように、旬の食材で栄養チャージをしておきたいですね。






夏の二十四節季を知ろう

四季節気旧暦西暦
立夏(りっか)4月節5月5日頃
小満(しょうまん)4月中5月21日頃
芒種(ぼうしゅ)5月節6月6日頃
夏至(げし)5月中6月21日頃
小暑(しょうしょ)6月節7月7日頃
大暑(たいしょ)6月中7月23日頃