小満

  

2023年

5月20日(水曜日)

二十四節季七十二侯
小満初候蚕起食桑
(かいこおきてくわをはむ)
蚕が桑を盛んに食べ始める
次候紅花栄
(べにばなさかう)
紅花が盛んに咲く
末候麦秋至
(むぎのときいたる)
麦が熟し麦秋となる

春の旧暦には、清明や穀雨のような春先の情景が伝わってくる節気名が多いです。

夏にも、立夏や夏至、小暑、大暑などの夏の気候が伝わってくる節気名がありますが、小満だけはいまいちイメージが湧きにくいかもしれません。

しかし、小満にもちゃんとした意味合いがあるのです。

今回は、小満の意味や関係ある季語、食べ物などを解説していきます。






小満てどんな日

小満とは、旧暦の中の二十四節気という区分法の8番目にあたる季節です。
期間的には、5月19日頃から15日間で、夏の始まりを意味する立夏の次の節気です。

この頃になると、秋に蒔いておいた麦などの穂が見事に育って輝き始めるため、農家が一安心できるという意味で、小満と名付けられました。






小満に関係のある季語

小満を表す季語には、農作物が実ったり、植物が生い茂る風景が描ける言葉が多いです。

・小満
・新緑
・薫風
・風香る
・風薫る
・青葉
・若葉

手紙では、次のような挨拶文がよく使われます。

・小満を過ぎ、梅雨入り前の貴重な晴天です。
・五月もあと数日。今年の新茶は格別に美味しく感じられます。
・皐月の花も盛りを過ぎ山の緑も濃くなって参りました。
・拝啓 風薫る季節となりました。いかがお過ごしでしょうか。

小満を季語にした俳句には、次のようなものがあります。

・小満やどの田も水を湛へをり(小島雷法子)
・小満や一升壜に赤まむし(齊藤美規)
・小満のみるみる涙湧く子かな(山西雅子)

5月のお手紙を書く際に参考になりますよ
5月の時候の挨拶






小満に関係ある食べ物は?

小満の5月下旬頃には、アスパラガスやそら豆、キスやカツオなどが美味しくなります。

小満に関係ある食べ物をご紹介します。

・アスパラガス
アスパラガスの旬は本州で4月から5月、北海道で6月が目安です。
特に北海道産のアスパラガスは大きなものが多く、バター焼きなどでいただくと美味しいです。

まさに、美味しいアスパラガスは太めで穂先が開いていないものが多いので、スーパーなどで選ぶときは注目すると良いでしょう。
ホワイトアスパラガスとグリーンアスパラガスがありますが栄養価が高いのはグリーンアスパラガスです。

・そら豆
そら豆の旬は4月から6月で、初夏の代表的な野菜としてあげられることが多いです。
スーパーなどで選ぶときは、濃い緑色をしたさやのものを選ぶといいでしょう。
さっと茹でる程度ですぐに火が通るので茹で過ぎないように気をつけましょう。
そのまま、皮ごとで食べた方が食物繊維も摂れておすすめです。

・キス
上品で軽めな味が魅力のキスは6月から8月にかけて旬を迎えます。
スーパーの売り場では一年中売られていますが、小満の頃のキスは産卵前なので一段と美味しいです。

・かつお
鰹の旬は夏と秋で、小満の頃のかつおは初鰹と言われています。
一方で秋に獲れるかつおは戻り鰹と言われています。
初鰹は戻り鰹と比べると、実が赤く味があっさりしているのが特徴です。
少し暑い季節には、あっさりしたかつおの方が美味しいですね。






まとめ

小満とは、5月19日頃に迎える夏の始まりを意味する立夏の次の節気です。

そのため、小満を表す季語には、農作物が実ったり、植物が生い茂る風景が描ける言葉が多いですね。

小満の5月下旬頃には、アスパラガスやそら豆、キスやカツオなどが美味しくなるので、思う存分堪能できるといいですね。






夏の二十四節季を知ろう

四季節気旧暦西暦
立夏(りっか)4月節5月5日頃
小満(しょうまん)4月中5月21日頃
芒種(ぼうしゅ)5月節6月6日頃
夏至(げし)5月中6月21日頃
小暑(しょうしょ)6月節7月7日頃
大暑(たいしょ)6月中7月23日頃